アクセシブルなソフトウェアへの手がかり

NVDAを少し使うようになった頃、NVDAで読み上げられるソフトと、読み上げられないソフトの差は何だろうと思いました。そこで、自分で作ったソフトなら、ソースコードがわかるから、何か手がかりが得られるかもしれないと思いました。

手持ちのPython入門書に、GUIソフトの例が出ていたので、ソースコードを写して入力して実行しました。GUIモジュールはtkinter。よく見るような、Altメニューやボタンがあります。そして、NVDAをオン。

Altメニューやボタンは、ほとんど読み上げられませんでした。形はメモ帳などのソフトに似ていて、メモ帳のAltメニューは読み上げられるのに。

ソースコードを写しているだけなので、これをどう変えれば読み上げられるようになるのか、全く見当が付きませんでした。

tkinterを使うとNVDAで読めない、と教えてくれたのは、その頃ツイッターでPythonプログラム仲間だった人でした。そして、wxPythonというGUIモジュールを使うと読み上げられるということも教えてくれました。後から知ったことですが、NVDAのGUIインターフェイスも、このwxPythonを使っているということでした。

各モジュールのアクセシビリティの違いがどこで生じるのか、というところまでは踏み込めていませんが、少なくとも、使うモジュールの違いで、読み上げられるか、読み上げられないかが決まってしまうとしたら、アクセシブルでないソフトをアクセシブルにして下さい、と依頼されたとしたら、モジュール総とっかえが必要という事態もあるかもしれません。

スクリーンリーダーで読み上げられるようにして下さい、という問いは、実はそう簡単に答えられる物とは限らないかもしれない、と思った出来事でした。

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NVDAで使いやすいMIDIシーケンサーソフト QWS

この記事は、Webじゃないアクセシビリティ Advent Calendar 2016 の12月6日分です。

Andre Louis氏の作成したMIDIシーケンサーソフトQuick Windows Sequencer (QWS)は、二種類のスクリーンリーダーで動作確認がされているため、スクリーンリーダーNVDAで全ての機能を使うことが出来る、アクセシブルなソフトです。

筆者はこのソフトの日本語変換用ファイルを作成し、ソフト作者から許可を得て、NVDAヘルプデスクで公開しています。
詳しくは、QWSのページ、NVDAヘルプデスクのページをご覧下さい。

QWS
http://www.andrelouis.com/qws/

NVDAヘルプデスク
Quick Windows Sequencer (QWS) 日本語化ファイルを公開
http://nvda.help/archives/440

QWSで、音楽再生、作成を楽しむ 第1回 QWSとは
http://nvda.help/archives/470

このソフトでは、MIDIデータの編集、パソコンのキーボードや MIDI キーボードで弾いたメロディーをMIDIデータとして記録、複数トラックの記録(16トラックまで)が出来ます。
使い方の詳細は、NVDAヘルプデスクにて記事を公開しています。

アクセシブルなソフトはどんな物かを知りたくなったら、アクセシブルな方の一つとして、NVDAと共にお試しいただければと思います。Altメニューを全て読み上げ、よく使う機能にはショートカットキー、などの特徴があります。マウスのみを前提とした操作はありません。全てのコントロールをキーボードから操作出来ます。

今年出会った、二大アクセシブルソフトの内の一つです。
(もう一つはScanSnap Manager、Webじゃない Advent Calendar 2016 12月2日分 参照)

NVDAでアクセシブルなドキュメントスキャナ ix100

この記事は、Webじゃないアクセシビリティ Advent Calendar 2016 の2日目です。

スクリーンリーダーNVDAでアクセシブルなスキャナ、ScanSnap ix100のご紹介をします。

このスキャナを使うのに必要なソフトウェアは、スキャナに付属のScanSnap Managerです。

スキャナに読み込みたい紙をセットして、ボタンを押すと、パソコンにスキャナの状態と、紙1枚の読み込み後に読み込みを終了するかどうかを尋ねる画面が出ます。これらは全てNVDAで読み上げられ、キーボードからの操作が可能です。

読み込み終了ボタンを押すと、読み込んだデータをその後どうするかを尋ねる画面が出ます。取り扱い方法は非常に多彩で、指定のフォルダに保存、ピクチャフォルダに保存の他、クラウドドライブへの保存、文字認識(OCR)した上でのワード文書への変換(但し、ScanSnap Managerの他に、ABBYY Fine Reader for ScanSnapのインストールが必要)、その他合計15種類くらいのことが出来ます。これらの選択肢も、全てNVDAで読み上げられます。こういう部分が「ボタン、ボタン、ボタン」、となる例はいろいろなソフトで意外と多い中、非常にアクセシブルです。

ix100は一枚片面スキャンですが、ix500は複数枚を一枚ずつオートフィーダーで読み込んでの両面同時スキャンが可能です。この機種に付属のソフトも上記と同じなので、同様に非常にアクセシブルです。

ix100、500とも、iPhoneアプリ ScanSnap Connect Applicationも非常にVoice Overでの使い勝手も良いです。スキャンデータをカメラロールに保存して、いろいろなOCRアプリで文字認識が出来ます。iPhoneとix100を持ち歩いて、どこでも墨字内容確認に役立ちそうです。

このスキャナのアクセシビリティチェックは、PFU株式会社様からのご厚意でix100実機をお貸しいただけたことから始まりました。ありがとうございました。周辺機器類のアクセシビリティは、周辺機器を購入しなくては行えないところ、非常にありがたく思いました。

ScanSnapについては、下記PFU株式会社のサイトでご覧になれます。
http://scansnap.fujitsu.com/jp/product/ix100/

NVDAヘルプデスクでも、ScanSnapについて、ご紹介と使用方法をご紹介しています。
http://nvda.help/archives/314

NVDAで使うScanSnapとQWS体験会を開催します (開催しました)

NVDAで使うScanSnapとQWS体験会を、東京都八王子市で開催します。喫茶店での開催ですので、昼食会も予定しています。参加ご希望の方は、minakonono3519 gmail.comまでメールをお送り下さい(9とgの間に@を入れて下さい) 。ツイッターDMでも受付しています(アカウントはMina_Nono)。

日時 2016年11月26日土曜日 12時から(終了15時くらい)
場所 東京都八王子市 喫茶パティオ (JR中央線八王子駅、京王線京王八王子駅から徒歩5分くらい)
集合 11:00 京王線 京王八王子駅または11:30 JR中央線八王子駅

京王線京王八王子駅、またはJR中央線八王子駅から、みなののがご案内します。
誘導する人が少ないため、移動時間にはかなり余裕を持たせています。
帰りは、いずれかの駅までご案内します。

内容
11:00~12:00 各駅から会場へ移動 先に到着した方からご歓談下さい
12:00~13:00 昼食 喫茶パティオでのランチの注文をお願いいたします
13:00~14:00 ScanSnap体験会
14:00~15:00 QWS体験会

参加予定者(2016年10月18日時点)
みなのの (野々垣美名子 NVDA日本語チーム、NVDAヘルプデスクメンバー ※当イベントは個人での開催です)
TomG様 (暇つぶしラジオ)
中根雅文様 (AccSell)
音羽ざくろ様 (CD 心の鼓動)
他2名

昼食
喫茶パティオでのランチの注文をお願いいたします。(ランチ650円~)
喫茶パティオ (Wifi無料です。有償で店長さんにパソコン相談出来ます)
http://patio88.web.fc2.com/
BGMに、音羽ざくろさんのCD 「心の鼓動」を使用させていただきます。
https://www.youtube.com/watch?v=DbA8Ujng9iU
当日、心の鼓動 CD(12曲入り 1枚3000円)をお買い求めいただけます。

ScanSnap体験会
ScanSnap ix100のNVDAでの使用感を実際にお試しいただけます。ScanSnap ix100の付属ソフト「ScanSnap Manager」は、NVDAで使用しやすいのが特徴です。スキャナのボタン一つで紙1枚の片面をスキャン、矢印キーで保存の仕方を選択(選択しているボタンの内容はきちんと読まれます)、エンターキーで保存完了します。保存の仕方の選択画面から、Dropboxに保存、Google Driveに保存などのクラウドサービスへの保存も簡単に行えます。スキャナに付属のOCRソフト、ABBYYリーダーを利用して、高精度OCR(文字の画像データからテキストデータへの変換)を行い、墨字の書籍もかなり読むことが出来ます(※個人の感想です) 。PCを使用せず、スキャナ単体でのスキャンとクラウドドライブへの保存も出来ます。ix500では、両面同時スキャン、フィーダーによる複数枚順次自動スキャンも出来ます(実際にお使いの中根様に、使用感をお伺いしてみたいと思います)。ix100、ix500とも、iPhone, iPadなどのiOSのVoiceOverとの相性も良好です。iPhoneでの操作も当日お試しいただける予定です。

QWS体験会
QWSはMIDIシーケンサーソフトです。音色、音の高さや強さ、長さなどを記録する汎用の音楽デジタルデータ形式であるMIDI形式で、音楽を編集出来ます。USB接続の鍵盤キーボードを弾いて、MIDIデータとして記録し、多様な音色でメロディーや伴奏を重ねて行くことで、オーケストラやバンドのような編成の音楽を作ることも出来ます。鍵盤を弾かなくても、音の高さや長さを打ち込んでデータを編集することも出来ます。QWSは視覚障害当事者である作者 Andre Louisさんが、スクリーンリーダーで使えるMIDIシーケンサーを作成して無料で公開しているもので、NVDAで使いやすく、ショートカットキーも豊富に用意されています。音羽ざくろさん(MIDI検定2級)に、QWSと鍵盤キーボードKORG MicroKEY25の組み合わせで、即興実演で短い複数楽器編成の音楽を作っていただきたいと思います。

 

NVDAでDropboxを使用する

(NVDA+Firefox)
(NVDA+InternetExplorer)

1. Dropboxのアカウントを作成する

Dropboxのサイトを表示する。
Dropboxのサイト
https://www.dropbox.com/ja/

Internet Explorer
タブキーで進んで行き、「登録する(無料)」と読み上げられるところでエンターキーを押す。
タブキーで進み(適宜Shift+タブキーで戻り)、姓、名、メールアドレス、パスワードの4つのテキストボックスに記入する。タブキーで進むと、「利用規約に同意する」チェックボックスがあるので、スペースキーでチェックをつける。タブキーで進むと「アカウントの作成」があるのでエンターを押す。
「問題が生じました」または画像認証
画像に示された番号をエディットボックスに記入するとアカウントが出来上がる。
NVDAを終了して「アカウントの作成」をクリックすると画像認証なく作成出来る。

FireFox
タブキーで進んでいき、氏名、メールアドレス、パスワードの4つのテキストボックスに記入して、「登録する(無料)」と読み上げられるところでエンターキーを押す。
画像認証
画像に示された番号をエディットボックスに記入するとアカウントが出来上がる。

2. Dropboxデスクトップアプリをダウンロード、インストール
アカウントが出来上がった時の画面でタブキーとShift+タブキーを押して「Dropboxをダウンロード」でエンター。警告ダイアログが出るのでAlt+Rキーを押して実行するとインストールされる。(ログイン画面が出なくてすむらしい)

3. Dropboxフォルダにファイルを保存する
Dropboxデスクトップアプリをインストールすると、Windowsのエクスプローラからアクセスできるdropboxフォルダが出来ます。
お使いの環境により異なるかもしれませんが、例えば C:\users\ユーザー名\dropbox という位置に出来ていますので探してみて下さい。
また、デスクトップにdropboxショートカットが作られている場合、そのショートカットから起動すると上記dropboxフォルダが開きます。
このフォルダにファイルを保存する方法は、Windowsのエクスプローラでの操作と同じです。何かファイルを選択してCtrl+Cまたは右クリック(アプリケーションキー)メニューからコピーを選択し、dropboxフォルダを開き、Ctrl+Vまたは右クリック(アプリケーションキー)メニューからペーストを選択します。
また、ワードやメモ帳などのアプリケーションの「名前を付けて保存」ダイアログにて、dropboxフォルダを開いて保存すると、dropboxフォルダに保存されます。
dropboxフォルダに保存されたファイルは、10秒くらい経つとクラウド上のフォルダに同期済みのマークが出ます。NVDAでは、ファイル名を読み上げた後チェックと読まれる場合があります。
dropboxフォルダ内にフォルダを作ることも出来ます。dropboxフォルダ内で右クリック(アプリケーションキー)メニューから新規作成、フォルダを選択して下さい。

4. Dropbox内のファイルの共有
Dropboxに保存されたファイルを他の人に共有することが出来ます。他の人が、Dropboxのアカウントを持っていなくても可能な方法です。
Dropboxフォルダに保存したファイルを選択して右クリック(アプリケーション)メニューを押し、Dropboxリンクをコピー(l)を選択すると、クリップボードに共有リンクが保存されます。右クリック(アプリケーション)メニューを押した後、lボタンを押しても同じ動作になります。
このリンクを、メールやその他の方法で、相手に送ります。
リンクを受け取った人は、リンクをクリックすると、dropboxのサイトのファイルのダウンロード画面が出るので、ダウンロードをクリックします。ダウンロードをクリックすると(Internet Explorerでは、ダウンロードボタンをキーボードで押すことが出来ません。FireFoxでは、一文字ナビゲーションのkボタンを押して行くとダウンロードボタンにフォーカスが当たります)、ファイル保存の警告ダイアログが出るので、Alt+Sで保存します(Firefoxではファイルを保存するダイアログが出るのでファイルを保存するを選択してエンターします)。保存したファイルは、設定にもよりますが、ダウンロードフォルダに入っていることが多いと思います。

八王子ラーメン

これは、ラーメンAdvent Calenderの20日目の記事です。http://www.adventar.org/calendars/722

筆者は東京都八王子市生まれの八王子育ちですが、わりと最近知ったばかり (ここ4~5年以内) の八王子ラーメンというラーメンがあります。

八王子ラーメンの特徴は、伝え聞くところによると、きざみたまねぎ (たまねぎのみじん切り) がのっていることです。ラーメンからそれてしまいますが、八王子のきざみたまねぎ関係の食べ物では、八王子ナポリタンがあります。

写真は、「たいめい」という八王子ラーメン専門のお店のラーメンです。高菜チャーハンとのセットで、好きなメニューです。量が多そうに見えますが、食べきってしまいます。なお、ラーメンどんぶりは、ミニサイズではありません。

IMG_4713

 

Webページをスクリーンリーダーを使って操作する時の困りごと

これは、Web Accessibility Advent Calendarの12月16日の記事です。
http://www.adventar.org/calendars/719

Web Accessibility Advent Calendarに参加するのは初めてなので、簡単に自己紹介します。ツイッター名はみなののです。東京都の西の方で、会社員をしています。通勤で出会った視覚障害の方と毎朝通勤するようになったのをきっかけに、視覚障害者のサポートに興味を持ちました。地域のパソコンボランティアに参加したり、NVDA関連の活動に参加したりしています。友人に出会ったのは2012年 (週5日ほぼ毎日の通勤同行は3年目)、パソコンボランティアに参加したのは (あまり活動に参加出来ていませんが) 2013年、NVDA日本語チームに参加したのは2014年です。NVDAヘルプデスクに2015年から参加しています。

他には、視覚障害者のWindowsやApple製品についてのメーリングリストに参加したり、Twitterで視覚障害の方々をフォローしたりして、日々、視覚障害の方のPC+スクリーンリーダーやiPhone+VoiceOverでの困りごとを聞き、自分でも画面を見ながらスクリーンリーダーで操作して操作方法を調べ、メールやTwitterの返信でお知らせしています。

これらの活動から、どんなWebサイトがスクリーンリーダーユーザーにとって困るのか、少しわかって来たと思います。今日は、その構成の具体例を挙げたいと思います。

本当は、実際のサイトをスクリーンリーダーで操作していただくとわかりやすいのですが、そのサイトを作成した企業様との兼ね合いで、ご紹介しづらいのが悩むところです。

1. データ購入サイトでの例
デー タ購入サイトでの例です。以下、操作とサイトの変化を順に追って説明します。

(操作1) テキストフィールドにテキストを入力して検索する。

(変化1) 検索によりヒットしたデータが表示される。1件の表示内容は、データの名前、説明、カートに追加ボタン。

(操作2) 購入するデータのカートに追加ボタンまで移動し、ボタンを有効化する(たいていはエンターキー)。

(変化2) パソコンの画面いっぱいに、大きな警告ウィンドウ(半透明)が出る。ウィンドウの中には、了承ボタンとキャンセルボタンがある。しかし、スクリーンリーダーでは読み上げされない。また、フォーカスは相変わらずカートに追加ボタンにあるため、スクリーンリーダーユーザーには気づけない。

(操作3) カートに追加ボタンを押したので、カートに移動してカートを表示してみる。

(変化3) 商品は追加されていない。

この例にて、カートに商品を追加する方法は、変化2にて現れた警告ウィンドウの中の了承ボタンを押すことです。このための操作には2通りあることが、実際にスクリーンリーダーで操作してみてわかりました。

(操作2-1) データが表示されているリスト全体の末尾までフォーカスを送ると、警告ダイアログにたどり着く。了承ボタンにフォーカスを当ててエンターを押す。

(操作2-2) Windows8以降のパソコンで、画面がタッチパネルになっている場合、画面を触って警告ウィンドウにフォーカスが当たると読み上げされる。

例えば操作2-1の場合、末尾にたどり着くまでに、タブキーなどのフォーカス送りのキーを100回以上押さなくてはならない場合もあり、スクリーンリーダーユーザーが自分で気づくのが非常に難しくなっています。

2. マウスオーバーでしか重要なメニューが表示されない例

ログインの必要なWebサービスのログイン後の、ログアウトなどの重要メニューを含むメニュー項目で見かけることが多い仕様です。

(操作1) タブキーを押して、「メニュー」にフォーカスを当てる。

(操作2) エンターキーを押す。

(変化1) 何も変化しない。

メニューの下に、複数の項目があるはずなのに、表示されません。操作2のところで、メニューを選択して有効にする操作として、Ctrl+エンター、スペース、alt+エンター、スクリーンリーダーキー+エンターなど、いろいろあり、全部試してみても、開きません。

スクリーンリーダーを使用しない場合はどうやって使用するかというと、メニューのところにマウスポインタを合わせると、複数項目を含むメニューが出るので、それらのメニューが表示されている範囲からマウスポインタが出ないように注意して(出ると複数項目のメニューが消えます)、実行したい項目のところでクリックします。

こういう場合にも、スクリーンリーダーに、マウスポインタを操作するコマンドがある場合、メニューを開くことが出来る場合があります。上記の操作2のところを、次のように変更します。

(操作2-1) マウスポインタをフォーカスされた項目の位置に移動するキーコマンドを押す。(例えばNVDAではNVDA+Shift+M)

(変化2-1) マウスポインタがメニューのところに移動する。

(操作2-2) マウスクリックのキーコマンドを押す。(例えばNVDAではCtrl+[)

(変化2-2) メニューが開き、下の複数項目のメニューが表示される。

(操作2-3) 矢印、タブキーなどのキーで、メニュー内を移動する。

(変化2-3) フォーカスがメニュー内を移動する。

(操作2-4) 実行したいメニューでエンターキーを押す。

(変化2-4) 実行したメニューが実行される。

このように、操作がとても複雑になります。出来れば、スクリーンリーダーでマウスポインタ操作を使わずにすむような仕様の方が望ましいと思います。なお、この仕様は、スクリーンリーダーユーザーでなくても、タブレット利用者がマウスを使わずに、タッチ操作だけで操作しようとする時にも、開くことが出来ません。

3. ログインの画像認証での例
とあるサービスのログイン方法が、ある日突然変わり、初回ログイン認証をしなければならなくなりました。その初回ログインの仕様です。

(操作1) ログイン名、パスワードなどを入力する。

(変化1) 認証画面に移り、画像が何枚か表示され、「あなたと関係のある画像を選んで下さい」と表示される。

スクリーンリーダーユーザーは、日頃、画像を見ることなくサービスを使用していますので、この質問に答えることが出来ません。困ったので、晴眼者に見てもらうことにします。しかし、個人的なサービスであることもあり、晴眼者は普段そのユーザーがそのサービスを使用していることを見たことがないという状況が生じます。他の人が手伝うことも難しく、ログイン出来なくなってしまう恐れもあります。

相談を受けたスクリーンリーダーユーザーがスマホを使用している場合は、パソコンからの認証をあきらめ、スマホサイトに用意されていた単純な画像認証(アルファベットを読むもの)と、二段階認証を行うことで、初回ログインをすることが出来ます。

このように、実際にスクリーンリーダーで操作してみると、いろいろと困ってしまう仕様のサイトを見かけます。こういったサイトを見かけたら、筆者はHTMLソースの関連しそうなところを読んでみるのですが、HTMLその他の知識が足りないため、そのサイトを再現することが出来ません。実際のサイトオーナー名を出さずに、同じような仕様のサイトを作成出来ると、スクリーンリーダーにとって操作しづらい仕様の例としてご紹介出来て良いのですが・・・。ぜひ、Webデザイナーの方のご協力を得られるとありがたいと思っています。

Webデザイナーの方が、実際にスクリーンリーダーを利用して操作感をチェックするのに、無料で使えるスクリーンリーダーNVDAがあります。

NVDA日本語チームのサイト
https://www.nvda.jp/

NVDAの操作方法につまづいた場合は、NVDAヘルプデスク(視覚障害者総合支援センターちば)にお問い合わせいただくことも出来ます。どなたでも利用することが出来ます。ご利用は登録制となっております。

NVDAヘルプデスクのサイト
http://nvda.help/

また、iPhoneやMacPCの場合は、標準搭載されている支援技術VoiceOverでの操作感チェックが可能です。