視覚障害の方がパソコンを使うには

視覚障害の方は、画面読み上げソフト(スクリーンリーダー)を使用してパソコンを使用します。
ログイン画面やツールバー、デスクトップアイコンの名前、使用するアプリケーションの中のメニューやテキストなど、パソコンを起動して終了するまでの動作の大半を読み上げてくれるので、視覚障害の方が一人で使用出来るようになっています。(アプリケーションで読み上げられない物がある、セーフティ画面は読み上げがされないなど、完全ではないのですが、それはまた別の時に書きたいと思います。)

スクリーンリーダーにはいくつかの種類があります。中には、無料で使用出来るスクリーンリーダーもあります。NVDAというスクリーンリーダーです。今回は、NVDAについて概要を書きたいと思います。

NVDAは、Non Visual Desktop Accessの頭文字を取ったもので、直訳すると、デスクトップPCに視覚的方法を用いずにアクセスする手段、という感じになると思います。
オーストラリアの全盲のお二人、Michael Curran 氏とJames Teh 氏が、視覚障害者が晴眼者(目の見える人)と同じコストで、平等にパソコンを使えるようにと、開発して無料で配布しています。彼らがNV Accessという非営利団体を立ち上げて運営するという形で、開発・バージョンアップが続けられているそうです。
オーストラリアで開発されているため、元々は英語のソフトで、各国から翻訳者を募り、提供された翻訳を一つのソフトに統合する形で、何十もの言語に対応する一つのスクリーンリーダーとして作られています。

日本では、NVDA日本語チーム (代表 西本卓也氏) が、NVDAを日本語に翻訳したり、日本語特有の読み上げや漢字変換などに対応するように機能を付け加えたりなどをして、NVDA日本語版としてNVDA日本語チームから配布されています。

無料で配布されるNVDAには、視覚障害の方が晴眼者と同じコストでパソコンを使えるようにしたいという開発者お二人の思いに加え、一般のソフトやホームページがスクリーンリーダーを用いて十分に使用出来るかどうかをチェックするツールとして使ってもらい、世の中のソフトやホームページが視覚障害の方にも使いやすいものになってほしい、という、日本語チーム代表の西本氏の思いも込められています。

NVDA日本語チームのホームページはこちらです。NVDA日本語版のダウンロードもこちらから出来ます。

http://www.nvda.jp/

筆者はNVDA日本語チームに属しており(メーリングリストに参加して入れるチームです)、居住地近傍(東京都八王子市近辺)にてNVDAの概要説明とデモンストレーションを行えるように準備していく予定です。その際、お問い合わせ先もこのブログに掲げたいと思います。

カラオケでの歌詞提示をぜひ音声で

カラオケは、画面に歌詞が表示されるので、歌詞を覚えてなくても歌えます。
むしろ、歌詞を一曲全部覚えている曲は、一曲もありませんので、歌詞表示機能は非常にありがたいものです。
視覚障害の友人も、カラオケが大好きで、一緒に行って歌います。
ただ、そこにあるのがこの歌詞問題。
どうやったら友人がカラオケで歌をうたいやすいか。いろいろ考えつつ思いついたことを書きたいと思います。
今回は、こうなってたらいいなと思いつきつつ、技術的には可能だろうとは思うものの、著作権の関係やらで難しそうなので、カラオケ屋さんよろしくお願いします、という内容です。

昔の宴会風景ではよくあったような気がするのですが(そんなに宴会に参加した記憶はあまりないですが、ドラマのイメージ・・・?)、マイクを持った司会者が、曲のフレーズの切れ目に、次のフレームの歌詞を早口で言う、このイメージです。これを、歌詞のテキストデータからの合成音声で、フレーズの切れ目の一拍や二拍前に機械的に差し込むだけでも、結構歌いやすいのではないでしょうか。
今時点でも、「歌入り」という、合成音声(多分)が歌詞入りで歌うモードもあることですし、あと一息(?)ではないかなと思います。

この方法で、機械を使わずに歌詞差し込みをしつつ、一曲だけを集中的に練習したことがあるのですが(宴会での披露に備え)、友人は歌詞を全部覚えて歌えるようになりました。

QRコードとスキャナでテキストデータ交換!

名刺に点字を入れたいと考えていて、メールアドレスを入れるにはどうしたら良いのかと考えました。点字でそんなに長い文字列が入れられるのかな?

点字でのメールアドレス表示も一つの試し事項ですが、他に、QRコードの使用はどうかと思いつきました。
バーコード読み取りアプリのiPhone版を一度試したことがあったので、写真を撮るタイプのQRコード読み取りアプリは難しそうだと思っていました。
そこで、写真を撮るスマホアプリより、フラットベッドスキャナが使えるWindowsのQRコードアプリを探してみようと思ったのです。
そして、「Psytec QR Code Editor」というフリーソフトを見つけました。

このフリーソフトを使って、初めて知ったことは、次のようなことです。

QRコードには、四隅に四角がありますが、一箇所だけ大きさの小さい四角形になっているので、コンピュータがQRコードを読み取った後に、コードの正しい方向を認識出来ます。つまり、QRコードをスキャナで読み込んだり、写真を撮ったりする時に、方向を気にする必要がありません。

QRコードのデータ量が増えると、QRコードを縦横に並べたような大きな一つのQRコードになっていきます。どれだけデータが入るか試したところ、400字詰め原稿用紙に3枚分くらいのテキストデータが、B5の紙いっぱいの大きさのQRコードに入りました。まだドットの細かさにも余裕がありましたので、紙をA4にして、ドットをより細かくすることで、もう少し長いテキストデータも紙一枚に入ると思います。

パソコンが普及することで、いろいろなところで配られるお手紙も、パソコンで作られるようになってきました。ホームページまでは作っていないけれども、学校の各クラスで、塾で、仕事場で、パソコンで作成され、印刷されたお手紙が配られます。視覚障害の方の場合、そういったお手紙を読むことが出来ません。点字にしてもらうのは時間がかかります。読み上げて録音するのも時間がかかります。短いお手紙だけで一枚の記録媒体を使うのも何だし、書き換え可能な媒体を毎日交換するのもちょっと・・・。でも、すぐに必要な情報が書かれているのに・・・。

こんな時、パソコンでお手紙を作ったら、テキスト部分をコピーして、QRコードソフトを起動して、ペーストして、保存して、印刷すれば、視覚障害の方がスキャナで読み込んで、QRコードソフトでテキストに変換して、スクリーンリーダーで読み上げられるようになります。上でご紹介したQRコードソフトは、スクリーンリーダーで十分に扱えます。

もちろん、お手紙の代わりにメールにするという方法もあります。ただ、その場合は、メールアドレスが必要です。

手紙が活躍する場面として、不特定多数に配られるチラシのような物もあります。そういう場合でも、紙にQRコードを印刷することで、割と手軽にアクセシブルな印刷物が出来るのではないかと思います。

QRコードは、手入力だと面倒なURLを入力しなくてもすむようにするツールとして、現在も広く用いられています。また、宅急便の送り状と配達の方の使用する端末の間でのデータ交換など、事務手続きにも利用されているようです。ただ、短い文字データを扱うものという認識も同時になされているのではと思います。もっと自由に使える。そう提案したいと思います。

そして、広く広く普及したら、商品包装の箱や袋、ソフトのプロダクトキーの書いてある紙、B-CASカードの番号などに使われるようになったら便利だと思います。

そして、Google Glassのような眼鏡型の端末にQRコードアプリがあれば、店で商品の写真をスマホで取るのではなく、商品を手に取って眺めるような動作で、商品名を知ることが出来て、便利だと思います。

というわけで、次は、視覚障害の方が使いやすいスキャナについて、調べようと思います。スキャナとQRコードを、ぜひお試し下さい。

マイクロソフトエクセルでのインターネットエクスプローラ操作が持つ可能性

パソコン(Windows8.1とします)を起動して、例えばインターネットラジオを聴くまでに、どれだけの手順があるでしょうか。

電源オン。スタート画面になるのでデスクトップタイルを押す。ツールバーにインターネットエクスプローラがあるので起動。お気に入りを押して、インターネットラジオの項目を選択。

画面を見られればこれで良いのですが・・・。

スクリーンリーダーを使いながらキーボードで操作すると、かなりの数の操作になるのではないでしょうか。

電源オン。デスクトップと読み上げるところでエンター。ウィンドウズキー+Tでツールバーへフォーカスを移動。矢印キーでインターネットエクスプローラーを探して見つかったらエンター。ホームボタンまでタブキーを押した後右矢印一回でお気に入りへ。エンターを押して下矢印でインターネットラジオを探してエンター。

パソコン初心者(視覚障害者)にとっては、タブキーと矢印キーの使い分けが、本当に難しそうだと思います。

でも、インターネット上の、特定のページだけにアクセス出来れば足りるとしたら。

マイクロソフトエクセルVBAで、インターネットエクスプローラーを操作する方法は、いかがでしょうか。
(そういう物を誰かに作ってもらって使うと考えて下さい)

エクセルVBAの詳細は割愛しますが、ざっと説明すると、エクセルファイルを起動するだけでインターネットエクスプローラが立ち上がり、インターネットラジオの再生が始まるような物を、作ることが出来るのです。(但し、パソコンにマイクロソフトエクセルがインストールされていなければなりません) これなら、

電源オン。スタート画面になるのでデスクトップタイルを押す。ウィンドウズキー+Dでデスクトップへフォーカスを移動。デスクトップ上のエクセルファイルを選んでエンター。

これだけで、インターネットラジオの再生を開始することが出来ます。
ちょうど、アイコンをタップするだけで良い、スマートフォンのアプリのような使い勝手になると思います。

パソコンを覚えるのは最初は大変だけど、限られた機能だけでも、楽しく使い始めたい。

そんな方に、この方法をおすすめ出来ないかな? と考えています。

グリッドマーク製 G-Talkとグリッドコード

 グリッドマーク株式会社のG-Talkと、グリッドコードという商品があります。
 G-Talkは、印刷パターンを読み取るスキャナが付いた音声録音機および再生機で、音声ペンとも呼ばれます。
 グリッドコードは、例えばシールに印刷され、パターンごとに番号がつけられています。
 何か出来るかというと、録音ボタンを押して録音→スキャナでシールをタッチすると、そのシールと録音の内容が紐づけられ、スキャナでそのシールをタッチすると、録音した音声が再生されます。

 この機械。工夫と普及次第では、非常に大きな可能性を持っているような気がしています。

 例えば自動販売機。ボタンのそばにシールを貼り、シールにタッチすると、そのボタンで買える商品の説明が読み上げられるようにする。

 例えば、バス停の時刻表。「何時」のシールと、その時間にあるバスの「何分」を、隣同士に貼る。そうすると、バスの時刻を知りたい時間のシールをまず探し出し、その隣のシールにタッチすると、「何分、何分、何分」と読み上げられるようになります。一つのシールに全部録音するのでなく、複数のシールに録音して配置することで、探している情報に素早く到達出来るようになります。

 例えば、スーパーなどの商品の箱や袋。商品一つ一つにシールをはるのは、非常に大変と思われるかもしれません。けれど、グリッドコードは非常に細かいドットパターンで、絵柄を構成する印刷のドットがグリッドコードになっており、ぱっと見えるのは絵柄のみです。商品の袋や箱全面に直接グリッドコードを印刷しておき、対応する音声をペンに録音しておけば、袋や箱のどこをペンでタッチしても、商品名や値段などの関連する情報がペンから流れるようになるのではと思います。以上は、そもそも商品の箱や袋に印刷可能なのか、いくらくらいかかるのか、多数の商品がある中で、同じコードが別の商品に重複しないように割り振るにはどうしたら良いのか、などの考察はしておらず、仕組みのみからの考察です。

 今は、スマートフォンのアプリで、バーコードの写真を撮ると表示されるネット上のお店のページに飛ぶと、商品名がわかるものがあります。(iConit,アイコニット)この方法では、スマートフォンでバーコードの写真を撮ることが難しいです。バーコードが印刷してある部分に特に出っ張りがあるわけでなく、全面をくまなく探さなければなりません。バーコードを写真の画面に合わせて収める必要があるため、ある一定の距離を保たなければなりません。バーコードの上下も、スマートフォンの上下に合わせなければなりません。

 一方、グリッドコードは非常に細かいため、音声ペンのスキャナ部分でタッチすれば良く、バーコードより簡単です。(実現していないのに比較するのも何ですが・・・。目の不自由な方が独力で商品を調べられるようになった点で、アイコニットは非常に優れたアプリだと思います)

 ここまで、良いことばかり書いて来てしまいましたが、現在のG-Talkの仕様を元に、上記をどうやって実現すれば良いか考えると、以下のような難しさもあります。

 自動販売機一台に対し、一台のG-Talkが必要です。
 一つの時刻表に対し、一台のG-Talkが必要です。
 グリッドコードのシールに対し、備え付けのG-Talkで上書き録音が出来るため、元々録音してあった正しいデータを書き換えられてしまう恐れがあります。
 (上書き録音による不都合は、このブログを書きながら、はたと思いつきました。)

 ですので、個人的に便利さを実証するには、やはり限られた場所で試すしかありません。
(これは実は便利なのではないか)と、いろいろな人たちに思ってもらえるようになると良いのですが。
 実証実験用には、再生機能のみの機器(スピーキングペンという別商品があります)必要そうです。

 将来的に、自動販売機の入れ替え時に、仮に録音内容確認と録音作業をやってもらえるとしたら、備え付けのG-Talkは録音機能が付いていた方が便利なので、録音作業開始時に一度だけ暗証番号を入力するような仕様があると良いかもしれません。

 実証実験をしてみたいと考えていますが、まだ実験協力先を探したり、相談したりしていないうちに、半年近く経ってしまいました。
 半年前は、(冷たいドリンクがほしい時期のうちにぜひやりたい)と思っていましたが、今は、熱いドリンクがほしい時期ですね。
 この仕組みを利用する方法のアイディアをぜひあたため、広がってほしいと考えています。

初めてのブログ開設

 こんにちは。
「情報アクセス」という、大それた名前をURLに入れてしまいましたが、初めてのブログ開設です。

 通勤中に、駅で視覚障害の方と出会い、偶然通勤時間と通勤経路がほぼ重なっていたことから、手引きをしつつ、いろいろサポートするようになりました。

「こうなっていたら」「ああなっていたら」彼女が便利ではと思いついたことを、書いて行きたいと思います。

 手紙の代わりのコミュニケーションツールとして、最初に使い始めたのは、オリンパスのICレコーダー ボイストレック DP-201です。

 このボイスレコーダーは、他のメーカーの機種とは全く違ったデザインコンセプトで作られていると感じました。
 視覚障害の方に使いやすいポイントは以下のとおりです。

 操作ボタンは再生、停止、録音、送り、戻しの五つ。再生は三角形、停止は四角形、録音は丸の形をしています。形は、手で触ってわかるようになっています。
 送り、戻しのボタンはそれぞれ右端、左端にあり、他のボタンと紛らわしくなることがありません。
 録音ファイルは全て一列に並び、送りまたは戻しのボタンを繰り返し押して行けば、全ての録音ファイルを聞くことが出来ます。
 音量は本体側面のダイヤル、電源スイッチはカチッとスライドして上がオン、下がオフの機械スイッチ式です。
 電池カバーを開けても本体から離れないようになっています。

 DP-201は、録音は内蔵マイクのみ(マイク端子なし)、内蔵メモリのみ、録音形式はWMAのみでしたが、その後、後継機種として、DP-301が発売されました。

 DP-301で新設された機能は以下のとおりです。

 マイク端子がついたので、他の機器のヘッドホン端子との間をケーブルで接続して、周囲の雑音を拾わずに録音出来ます。
 MP3データを再生出来ます。
 SDカードスロットが付きました。パソコンからMP3データをSDカードに移し、DP-301で再生出来ます。DP-301からSDカードへ録音したり、DP-301の内蔵メモリに録音したMP3データをSDカードに移したりすることが出来ます。

 今はスマートフォンがあれば、見せたいものの写真を気軽に撮って、見せられるようになりましたが、DP-301なら、それと同じように気軽に、聞かせたいものを録音して、渡して、自分でおうちで簡単に操作して聞いてもらうことが出来るようになりました。